当たり前の話ですが、切実な問題でもあります。
 魚は生き物ですので、川でも海でもある程度の範囲で移動します。
 魚がそばにいない場所で釣っていても、釣れるはずがないのです。
 「1場所2餌3仕掛け」という昔ながらの言葉は、本当に名言だと思います。

 昔は気軽に入れた漁港や大型港は近年立ち入り制限や釣り禁止になるところが増えています。
 釣り人の数に対し釣りが出来る場所は減っており、釣れるとなれば釣り人が一点集中するため、竿を出す場所を確保するのも容易ではなくなってきています。
 どうしてもメジャーポイントを外して釣りをする必要に迫られるのですが、なかなか自分では見つけられないものです。
 これができるようになれば上級者ですね。
 私自身は所詮中級者なので、なかなかうまくできません。
 海岸線から釣りをする場合は、やはりベテランの釣り仲間に教えを請うのが一番の近道でしょう。
 身近にベテラン釣り仲間がいないのであれば、釣り船という選択肢が現実的だと思います。

 釣り船の良い所は魚がいる場所のほぼ直上に連れて行ってくれることです。
 「少なくともその場に魚がいる」という前提条件で釣ることができるのは、「魚がいないのか釣り方が悪いのか」という可能性の一つを潰してくれるわけですから。
 また、釣り船のよさは釣れている人を観察することができることも大きいです。
 その人がどの辺りのタナを探り、同竿を操り仕掛けを動かしているかをつぶさに観察することができます。

 船に乗り込んでいる仲乗りさんに釣り方を習うこともできます。
 私自身、初めてLTアジ船に乗り込んだときは、船中爆釣にも関わらず一匹も釣れない状況が続き、試行錯誤を繰り返してはドツボにはまっていたところで、仲乗りさんが見かねて声をかけてくれました。
 仲乗りさんのアドバイスを受けたら、一投目からいきなり釣れ、それまで全く釣れなかったのが嘘のように一時間で20匹ほど釣り上げ、気持よく帰ることができました。
 あの時仲乗りさんが声をかけてくれなければ、今はもう釣りをしていなかったかもしれません。
 なかなか自分から声はかけづらいかもしれませんが、仲乗りさんが乗っている場合はアドバイスを求めるのが早道だと思います。

 船でのアジ釣りは船の直下にアジがいるわけですが、泳いでいるタナがずれていれば私のように全く釣れないものです。これもまた「魚がいなければ、魚は釣れない」の一例といえるでしょうね。